2007年11月19日

ワイエスアメリカ巡回展 The Butler Institute of American Art

丸沼芸術の森ワイエスコレクション115点は,現在アメリカ、オハイオ州ヤングスタウンにある、「Butler Institute of American Art」で展覧会を開催中である。 去る9月20日オープニングがあり、日本から須崎代表をはじめ、丸沼芸術の森のボランティアなど15名が出席した。招待客は200名で、ハイライトは須崎成美氏のフルート演奏だった。ワイエスの好きなバッハの曲を素晴らしい音色で演奏され、まるで絵と融合しているようだった。

観覧客の興味は、「アメリカの国民的画家といわれるワイエスの絵がなぜ日本にあり、なぜ日本人はワイエスを好きなのか」という点に集中した。新聞やTVでも盛んに報道され、記録的な入場者数だとZona 館長はじめ、館のスタッフも大変喜んでいる。

バトラー美術館はヤングスタウン大学の構内にある。美術科の学生たちは美術館で研修やボランティアをすることが出来、展示も数人が手伝ってくれた。 美術館のHPを下記のアドレスから見ることが出来る。

開催期間 9/20/07 〜 12/16/07

http://www.butlerart.com
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2007年11月17日

ワイエスが2007年合衆国芸術勲章受賞

ワイエスオフィスによると、11/15ホワイトハウスにおいて2007年の合衆国芸術勲章(National Medal of Arts)がブッシュ大統領から授与された。芸術各部門から9組の受賞者があり、その式典の模様がホワイトハウスのウェブサイトで公開されている。DVDの動画も見られるのでワイエスが大統領と談笑する場面やメダルを架けて貰っている場面は必見です!下記をクリックしてみてください。DVDの文字をクリックすると貴重な映像を見ることが出来ます。

http://www.arts.gov/news/news07/medals.html.
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2007/11/20071115-1.html# I
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2007年07月26日

ワイエス通信 Oklahoma, Tulsa より

ワイエス通信 Oklahoma, Tulsa より(1)
5/15/07
5月15日午前4時半、
おはようございます! オハイオ州タルサから中村です。(日本は夕方6時半ごろ)
成田―シカゴ経由で、昨日午後1時35分(日本時間15日、夜中の3時35分)にTulsa空港に着きました。全行程約16時間という長旅でしたが、不思議と疲れませんでした。機内はそれほど混んでいなかったのが幸いでした。3人席の列の間が空いていて、その向こうの席には、タイから兄弟3人で来たという大学生の男の子がほとんど眠り続けていて3食のうち最後の1食しか食べませんでした。よくもそんなに長く眠れるものだと感心して聞いてみたら、タイから成田までは兄弟が隣だったので、5時間しゃべりっぱなしだったということでした。長時間のフライトでは隣にどんな人が座るかで疲れ具合がまったく違います。私はほとんど眠くなく、パソコン、読書、映画などを見て過ごしました。

シカゴは現地時間朝8:10着、約3時間半乗り換え時間があり、11:55シカゴ発、タルサまでは約1時間40分くらい、鹿児島から沖永良部島へ飛ぶような小さな飛行機でした。ほぼ満員で、ここは2人席、隣はこれもまた静かな女の子でほとんど話もせず、ずっと本を読んでいたので、今度は私が良く眠りました。

タルサの空港はそれほど大きくなく出口もすぐ分かりました。まだ若そうだけどかなりふくよかなTobbieさんがOtoyo Nakamuraと書かれた紙を持ち上げて出口で待っていてくださいました。明るくていかにもアメリカヤンキー娘といった感じ、私を歓迎し、長いフライトをねぎらう温かい言葉をかけてくださいました。重いスーツケースもひょいっと持ち上げて、私の腰ほどもある高い荷台に載せてくださいました。外は真夏のような暑さでした。「きょうは特に暑い!」とトビーさんは言っていましたが、タルサはもう夏です。美術館やホテルはクーラーが入っていました。 Tulsa をこちらの人は「トルサ」と発音します。

まずはギルクリーズ美術館へ行って作品の無事到着を確認しました。シンシナティの学芸員ケイティさんが5時間トラックに同乗してきたそうで、作品は展示会場にきちんと並べられていました。美術館はシンシナティよりは小さいけれど、新緑の木立に囲まれた美しい立派な美術館でした。周囲には公園があり散歩が出来る小道があるそうです。 この美術館も休館日はないそうで、月曜日も開館し常設展を見ている観覧客がいました。展示室は深緑色に塗り替えられきょうからの展示作業は準備万端といった感じで、ちょうど学芸員のデイビットさんがシンシナティから譲り受けたバーナーなど作品以外の展示物を点検しているところで、しばし歓談して、きょうからの段取りも決まりました。

須崎社長のこともお話いたしました。実はこの美術館はアメリカでもアート・イン・レジデンスの草分けだったそうで、須崎社長の活動に大変興味を持っているそうです。すでにシンシナティからの資料もお持ちで、スピーチもまたビクトリア・ワイエスと一緒になりそうです。私も丸沼コレクションの話をドーセンツと呼ばれるギャラリートークの担当者たちにすることになりました。ここにはドーセンツが80人もいるそうです。
ワイエスオフィスからは、またビクトリアとカレンさんが来るそうです。オープニングレセプションは午前と午後2回あるそうです。

ホテルは快適です。ちょっと残念なのは、改築工事が終わったばかりだそうでまだ冷蔵庫がついていないことと、インターネットの電波が弱く部屋にケーブルは来ているのですが、使えません、ロビーにあるビジネスルームのパソコンを使うことになり、それも1台しかなく不便を感じています。そういうことでレポート第1便はFAX送信いたします。

きょうは8時30分にホテルのシャトルバスで美術館へ行きます。分厚い木箱を開けいよいよ作品に再会です。 きょうは館長やドーセンツの担当者と面会の予定も入っています。夕方は美術館のスタッフがケイティさんと私の歓迎会を開いてくださるそうです。楽しみです。
日本の皆様はきょうもお疲れ様でした。おやすみなさい。私は元気で張り切っていますので、ご安心ください。
<豆辞典>
タルサ(Tulsa)はアメリカ合衆国オクラホマ州東部に位置する。古くから油田開発がさかんで、石油精製工場、化学工場が多い。大きい美術館は3館ほど、Gilcrease美術館は最大。水族館やアメリカの歴史博物館がり、公園が目立つ。機内から見下ろすと、緑が多く川があり穀物地帯が広がっている。小麦、とうもろこしが基幹作物らしい。人口は
393,049人で70%が白人、残りはヒスパニック、アメリカン・アフリカン、先住民、アジア人など。


ワイエス通信  Tulsa より (2)
5/18/07

こんにちは!お変わりありませんか?
こちらは、きょうやっとひと休みでした。Katieさんが昨日夕方までに作品チェックをすべて終え、きょうは休日を取ることになりました。

ギルクリーズ美術館のスタッフの勧めで、こちらでもうひとつ有名な美術館「Philbrook Museum of Art」へ行ってきました。一言で言えば「庭園がすばらしい!」まるでベルサイユ宮殿の庭のようでした。コレクションはイタリアルネッサンス、アメリカンインディアン、メキシコ、の絵画、彫刻、陶器、ガラスなど小さなギャラリーがそれぞれ個性のある展示がしてありました。シンシナティのTAFT美術館を大きくしたような規模で、個人の美術館とは思えないほど充実したコレクションでした。庭があまりに美しいので散策をしながら写真も数枚撮りました。
 そのあとで、ユティカスクエアという広いショッピング街に行きましたが、
店は木立の中に巨大なコンクリートの箱のように建ち、平坦であまり美しくなく、ここは物質主義のアメリカを思わせました。平日にもかかわらず、すごい賑わいでいったい何事かと思うほどでした。ちょうどお昼頃だったので、ケイティさんによると「周辺のオフィス街から車で昼食に来る人たちが多い」ということでした。広い駐車場が店の前にあり、アクセスがいいからはやっているようです。ここでケイティさんは日曜日に友人の結婚式で着るというドレスをいとも簡単に決めて買いました。私はスーパーで食料を少し買いました。

有難いことにはどこへ行くにもホテルのシャトルバスが送迎してくれるのです。一回たった2ドルのチップで済むのでケイティさんはすぐに電話をして呼びます。美術館の往復も全てシャトルバスで一度もタクシーを使ったことはありません。
ケイティさんはいよいよ明日帰りますので、二人でメキシコ料理を食べてお別れの夕食会をしました。いろいろと親切にしていただき、4日間毎日3食を共にしてすっかり仲良くなったので、お互いにちょっとさびしい気持ちになりました。
3歳の男の子と8歳の女の子のお母さんでもあり、事故の後遺症が残るご主人を抱えていながら苦労は微塵も感じさせない素敵な女性です。私も何とか応援してあげたい気持ちになりました。 To be continued~.

ワイエス通信 タルサ、シンシナティより(3)
5/20/07
お変わりありませんか?こちらは毎日いいお天気でさわやかです。
週末はスタッフは休みなので、私はシンシナティへ来ています。
きのう(5/19)私は3時半頃シンシナティ空港に着いて、シャトルバスでダウンタウンへ来ました。ホテルは前回泊まったガーフィールドは空きがなくてミレニアムホテルをケイティさんが取ってくれました。ここも美術館御用達だそうです。セシールさんが車で迎えに来て夕食を一緒にしました。セシールさんの家にご主人のジョンを迎えに行ってからその近くで食料品を売っているレストランに行きました。日本で言えば魚屋さんが魚を売りながらそれを料理して食べさせるところのような、安くておいしいところでした。順番待ちをして入るほど大変混んでいました。賑やかなギターの生演奏があり、いかにもアメリカ的だと思ったのは、演奏曲目がカントリーで、古いアメリカ民謡ばかりだったそうです。土曜日の夕方なので家族連れが目立ちましたが、みんな楽しそうに拍手をしたり、曲に合わせてスイングしていました。セシールもにこにこして彼女は歌が好きなので家事をしながら歌ったりするといっていました。ちょっとイメージできませんけどね。ジョンは新しい小説を書き上げたばかりだそうで出版社が買ってくれるかまだ分からないそうです。
久しぶりにまたシンシナティへ来ることが出来て懐かしいです。やはりタルサに比べると大きな街です。学芸員のクリスティンさんがご主人が撮った写真を用意してくださるそうです。メーガンさんがいろいろな資料を用意してあるそうで楽しみです。クリスティン、ボナディースさんとは月曜日のお昼をご一緒することになっています。きょうは朝美術館でメーガンさんとお会いしていろいろお話を伺う予定です。彼女はドーセンツ教育を頑張っていますが、ワイエス展からこの担当になったので、特に丸沼の資料を頻繁に使ってくださったそうです。きょうは彼女と夕食をすることになっています。
シンシナティの入館者が20,078人だったことをメアリーに教えたら「それは驚くほどの数字で、ワイエスはきっと喜ぶでしょう!」と書いていました。彼女はワイエス夫妻の世話で忙しく、ギルクリーズに来れないことをとても残念がっていました。

ワイエス通信 タルサ、シンシナティより(4)
5/21/07
昨夜11時頃シンシナティから帰ってきました。日本にいるときに遅い便しか取れなくて、もっと早い便に変更しようとしたら、変更料が100ドルもかかると言われ、不安ながら帰ってきました。しかし空港からホテルのシャトルバスを呼んだらパイロットが二人、ほかの客が一人同乗したので、まったく不安なく帰ってきました。シンシナティからいろいろと資料をもらってきました。写真係のブライアンさんがオープニングの様子をCDにまとめてあり、クリスティンさんから頂きました。ご主人が写した写真は後で日本へ送るそうです。彼女は3週間もヨーロッパを旅して帰ってきたばかりだそうで準備が出来なかったようです。


5/22/07
きょうはこちらGilcrease Museumの館長にお会いしました。館長は新しい館長が来るまでの臨時なのだそうです。もともとは教会の牧師だった方だそうでその後美術館の会計係、副館長を経て今臨時の館長です。 先日は少し緊張してほとんど話しませんでしたが、きょうは大変友好的に良い会話が出来ました。 いかにも牧師様という感じで話し方も穏やか、私の話をきちんと聞いてくださいました。午後はトビーさんのパソコンを借りて、資料作りをしました。

ギルクリーズの展示作業は順調に進んでいます。濃い緑色の壁にワイエスの絵がとても映えています。展示のほうは学芸員のデイヴィッドさんがかなり速いペースで進めていて、すごい!と思いました。彼の頭の中には展示風景がすっかり出来ていて、「この素晴しい作品群を展示するのはわくわくする。非常に楽しい」と言っていました。もう少ししたら照度チェックがあるので其の時に一緒にお願いしますと言われて、あまり邪魔をしないようにしています。

こちらでもワイエス展の期間だけレストランで「ブルーベリーケーキ」を出すのだそうです。私も日本でも「ブルーベリーマフィンを作ってオルソンカフェで出している」ということを話したら、「それはグッドアイデアだ!」と言っていました。アルバロの座っていたような椅子も壁の色に合わせて移動壁の横に6点ほど置いてありました。学芸員のDavidさんがかなり力を入れています。ここの美術館でも展覧会が待ちきれないとスタッフが張り切っていて、みんながひとつの目標に向かっている、そんなところで一緒に仕事が出来るのは本当にやりがいがあるし、楽しいです。
 明日はドーセンツの教育係に丸沼の話をすることになっています。

ワイエス通信 タルサ、シンシナティより(5)
5/26/07               
おはようございます!ところで、社長ご夫妻のお迎えはなんとリムジンだそうです。「夫妻は(VIP)Very Important Person ですからね」と言われました。 私もいつもご一緒させていただくので光栄に思います。ワイエスのお仕事でなければこんなことありえませんからね。きょうから月曜日までこちらは連休です。月曜日はメモリアルデイということで、日本で言えばお彼岸でしょうか。皆さん家族揃ってお墓参りする日だそうです。明日はトビーさんの家に招かれています。トビーさんは私が退屈しないようにといろいろ気を使ってくださいます。ダッシュくんという3歳の男の子がいてスクリーンセーバーにまでその子の写真を使っていて本当に可愛がっているのが分かります。私はダッシュ君に「モンチッチ」の小さなぬいぐるみをあげたらトビーは「あまりに可愛いので二人でシェアーしてもいい?」と聞いて子供のように喜んでいました。彼女は本当にユーモアがあっていつも私を笑わせています。

昨日嬉しいことがありました。Natia Cockett という若い学芸員が一昨日トビーさんを訪ねてきて、「日本の学芸員が来ていると聞いたのでぜひお会いしたくて来ました」と言って私たちはお互いに自己紹介しました。彼女の祖父母がハワイへ移民した日本人で、母親はその娘で父親がアメリカ人だそうです。「母親はあまり日本語を話さなかったので、日本語が話せない、自分は日本へ行ったことがないがぜひ行ってみたいと思っている。日本のことをいろいろ教えてほしい」と言い、昨日、私が体調が悪いと言うと、炊飯器とお米を持ってきてくれたので驚きました。アジア食品を扱っているマーケットへも連れて行ってくれるといい本当に親切にあれこれと気遣ってくれました。でもトビーさんが自分が担当だからと私をマーケットに連れて行ってくださって、インスタントのお味噌汁や、トーフ、たくあん、梅干、お茶漬けなど買い、昨日初めて白いご飯を食べました。お陰できょうは胃の具合もすっかり良くなりました。

毎日、美術館の方々とお昼を一緒に食べますが、油と量とパンにいささか飽きています。それを察してトビーとデイビットさんはイタリアンやタイ、メキシカン、スペインなどいろいろと連れて行ってくださいますがどれも似たり寄ったりで、やはり長期滞在になると食事は食べ慣れたものが恋しくなります。パンやヨーグルト、牛乳はホテルのショップで買えますので、野菜料理だけをレストランで頼みパックに入れて部屋で食べたりしています。アメリカ人の食生活は本当に偏っていて、太り方が異常です。よくもそんなに太れるものだと皮肉でも言いたくなりますが、デイビットさんも太っているし、トビーもコーラばかり飲んでいて「体に良くないことは分かっているけどもう中毒みたいなものね」とひらき直って言われると、私がかかわることではないと言うのを控えています。

明後日はナティアさんが他の美術館や「あさひ」という寿司屋さんに連れて行ってくださるそうです。楽しみです。タルサと美術館について今書いています。後で送ります。

5/28/07  Tobie さんの家に招かれて

きょうはメモリアル・ホリデイなので公的機関はほとんどお休み。午後3時にトビーさんがホテルへ私を迎えに来て、ご自宅へ招待してくださるという。車で20分くらいの郊外にある一軒家でした。3週間前に引っ越してきたばかりだと言っていましたが、部屋の中はすっかり片付いて、どの部屋もトビーさんのセンスの良さが感じられました。私を出迎えてくださったのは、ご主人のCorneyさんと3歳になる一人息子Dushちゃんでした。写真で何度も見ていたので、なんだか懐かしい感じがしました。
せっかくだから日本から用意してきた寿司の材料を使いたいのでと、私は手巻き寿司とお稲荷を作ることにしました。ご飯はナティアさんから借りた炊飯器でカリフォルニア米をホテルで炊いてきました。生魚は食べられないというトビーさんのために、カニカマボコやアボカド、きゅうり、紅しょうがなどを用意し、卵焼きはトビーさんのお台所で作りました。
 日頃はご主人のコーニーさんが料理をしてくれるので、トビーさんはこの日も飲み物やデザートの用意をするだけで、私の傍で何かと手伝ってくださったのはやはりご主人でした。 途中からナティアさんも参加され、みんなで楽しく手巻き寿司やお稲荷を作りました。 お寿司はアメリカでも人気の日本食なので、彼らも興味津々のようでしたし、美味しい、美味しいとかなりの量を平らげて、残りはナティアさんがルームメイトにあげたいからと持って帰りました。
 彼女のお米と炊飯器は大変重宝しました。 
 
5/29/07
きょうはいよいよ社長ご夫妻がオープニングへ出席のために来られる。美術館のスタッフは準備万端でお迎えしようと張り切っている。ビクトリア・ワイエスも夕方には到着の予定。明日からはワイエス展関係のイベントが様々に展開される。その模様は後日また。
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 Gilcrease ワイエス展通信 タルサより

ギルクリーズ美術館での日々をレポートしました。
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ワイエス展〜Gilcrease Museum, オクラホマ州

去る6月1日、アメリカオクラホマ州、タルサ市にあるギルクリーズ・ミュージアムで、丸沼芸術の森ワイエスコレクションによる展覧会がスタートした。8月26日までの約3ヶ月間の開催である。私は5月14日から展示作業に立会い、オープンまでの約3週間を美術館のスタッフと共に過ごした。丸沼コレクションが大変貴重なものであることを再確認させられ、ワイエスがいかにアメリカ国民に愛されている画家であるかということをひしひしと感じた日々、現地でのレポートを紹介したい。about Gilcrease Museum.doc
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2007年05月23日

第7回アンドリュー・ワイエス展&フォーラム

 今年、第7回目となった丸沼芸術の森ワイエス展に800人近い観客が訪れてくださいました。4月29日に2週間の会期を無事に終えました。年々ボランティアが増えて、より充実したイベントになった感じがしました。毎年この時を待ち望んでいた方々が今年はどんな作品に出会えるだろうかと期待していることを思うと出品作品の選出にも気合が入ります。昨年から企画チームを募り、テーマに添った作品を選出いたしました。今年は素描が26点、水彩3点を展示いたしました。アンケートに寄せられた感想を読んでみますとワイエスの素描については、テクニックのすばらしさ、エモーションのほとばしりを逃さず描く巧みさ、描く対象への想い、写実に見えるが抽象的等‥。 「時間をかけてゆっくり丁寧に見ている人々が多かった」と受付の担当者が語っていました。
 丸沼芸術の森の外観は芸術家たちのアトリエが林立する大変シンプルで一見美術とは縁のなさそうな感じですが、竹林の名残があり、ボランティアの皆さんが作った花壇には季節の花が咲き、雑草が茂り、ワイエスの絵を見た後ではこの雰囲気がとてもしっくりなじむと言った人がいました。

 4月28,29日のフォーラムでは、学生さんたちがボランティアとして多数参加してくださり、賑やかに盛り上がりました。このイベントは、年に1回丸沼芸術の森のワイエスコレクションを見て、語って、楽しいひと時をともに過ごそうという催しです。全国から今年は87名が参加されました。1日目は丸沼芸術の森で制作活動をしている画家で大学で教鞭もとっていらっしゃる山本靖久氏による講演「ワイエスと日本人の感性について」と題して、画家の観点からワイエスの絵を分析し、日本人に好まれるその理由に迫りました。 2日目はイラストレーターの内田新哉氏による講演、「ワイエスの描く世界を旅して」が行われ、ワイエスの絵に出会って人生が変わったという内田氏が、ワイエスの作品の舞台を訪ね、その様子を画像とともに紹介しました。
 両日とも講演に続き分科会でのワークショップが行われました。A「高橋秀治氏―ワイエスなんでもQ&A」では、日本でのワイエス研究第一人者と言われている高橋氏が豊富な知識から皆さんのご質問に答えてくださいました。B「内田新哉氏―ワイエス作品に恋をして」では、内田氏が皆さんとともにスケッチをしたり、カントリーミュージックを聞きながら旅の写真を見たりしました。C「山本靖久氏―自然を捉える水彩表現(技法実技)」では、フォーラム初めての試みで、ワイエスの作品を実際に見ながら水彩の模写を実践しました。ワークショップでは参加者ご自身がワイエスの世界を経験したり、ワイエス感を語ったり出来る楽しいひと時です。

 休憩時には、オーナーの手作りアンパンを頂きながら歓談したり、ショップで図録や絵葉書、ポスターなど見ることも出来ました。グッズは主にアメリカから輸入し、日本では手に入らないような珍しいものがあります。

 今回遠くから来てくださった方の中に、「絵を描いていてどうしてもワイエスの素描を見てみたかった」と言い、7時間以上車を走らせて来られたという秋田県の方、また、やはり絵を描き始めてまだ浅いが、先生にワイエスの絵を見た方がいいと勧められ、昨年は常葉美術館へ行き、さらに思いを深めて今年丸沼まで来られた広島の方、その情熱には頭が下がりました。

 丸沼芸術の森の小さな展示室にはせいぜい30点しか展示できませんが、その中でたとえ1点でも心に響く作品に出会ってほしいと願っています。多くの資料の整理をしながら、改めてワイエス展の意義を思います。

交通事情の悪いところをはるばる来てくださった皆様、ご家族の協力のおかげで今年もボランティアに参加でき、共に活躍してくださった皆様に心から感謝申し上げます。来年また多くの感動に出会えるのを楽しみにしております。
―丸沼芸術の森スタッフ一同―
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2007年02月19日

www.cincinnatiartmuseum.org


Andrew Wyeth Watercolors and Drawings
Selections from the Marunuma Art Park, Collection, Japan
February 3 to May 6, 2007


Christina's World Study, 1948 watercolor
copyright Andrew Wyeth
See 114 watercolors and drawings by American master artist Andrew Wyeth, inspired by the world of Christina and Alvaro Olson in Cushing, Maine. This exhibition explores the artist’s ongoing fascination with the Olson’s everyday activities, domestic interiors, and utilitarian objects. Spanning three decades of his career, the works range from stand-alone watercolors to preliminary notations and detailed studies that demonstrate how the artist’s compositions evolved into finished tempera paintings. The exhibition includes ten studies for the painting Christina’s World (1948) as seen in early compositional notations, detailed figures, and arm studies and the final watercolor sketch of Christina.

Supporting Sponsors:
Mary Lynn and Thomas M. Cooney
Rhonda & Larry A. Sheakley Family Foundation
Dr. Stanley & Mickey Kaplan Foundation
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アメリカ巡回 丸沼芸術の森所蔵 アンドリュー・ワイエス展レポート

                           2 / 4 / 2007 中村
初回開催館 Cincinnati Art Museum(オハイオ州)
開催期間 2/3/2007〜5/6/2007

2007年1月21日、アメリカ、オハイオ州シンシナティ美術館でのワイエス展準備のために渡米した。成田―アトランタ―シンシナティは途中乗り継ぎ時間も含めると約18時間の旅だった。展覧会のオープニングまでの10日間を美術館で過ごす。
初めての海外展覧会でいったいどのような展開になるのか見当もつかなかったが、開催期日が迫るにつれて、シンシナティ美術館とのメールのやり取りが頻繁になり、段々現実味が増して気分的には期待が膨らんでいた。渡米前にシンシナティ美術館の修復家Cecile Mearさんが来日され、約2週間丸沼芸術の森やヤマト運輸など毎日一緒に作業をしたこと、シンシナティ美術館のBonadies副館長と学芸員のKristinさんが2003年に丸沼芸術の森を来訪されたこと、姫路市立美術館でのワイエス展へお連れしたことなどが功を奏したのか、今回美術館側の対応は予想以上にすばらしいものであった。

<オープニング>
シンシナティのワイエス展オープニングは、副館長が25年間勤めていて初めて経験した、と言われたほどの盛大なものとなった。2日間のオープニングで1300人という大勢の招待客で、本当にそのスケールの大きさには須崎社長ご夫妻も驚いて大変感激されていた。アメリカでのワイエスファンは熱狂的だと館長のAaron Betsky氏がスピーチで話しておられたがこのオープニングで実感した。初日、館長のあいさつの後、須崎社長、その後ワイエスの孫・ヴィクトリア・ワイエスがスピーチをした。社長のスピーチの内容はワイエスを入手したいきさつ―「若手芸術家支援という大きな目的のため」を主題としたものになった。皆さんが、素晴らしいコレクションのオーナー・須崎社長に一目会いたいと次々握手を求められ、ご夫妻は息つく暇もないほどだった。本当に歓迎されていることを実感されたと思う。
初日はサックス、翌日はピアノソロ、展示会場ではバイオリン演奏があり雰囲気を盛り上げていた。展示会場では初日、昼は学芸員のKristinさん、夕方はヴィクトリアがギャラリーツアー、2日目、ヴィクトリアは4回も講演をこなした。エネルギッシュで楽しいトークに聴衆は魅了されたようだ。

<美術館のスタッフたち>
開梱、展示、オープニングと多くの勉強をさせていただいた。 副館長とKristin さんの指示により、スタッフは誰もが丁寧に、どんな要求にも喜んで対応してくれたのは驚くほどであった。いつの間にかほとんどのスタッフが私の名前を覚えて、必ず挨拶に名前を呼んでくれたのは本当にうれしかった。
それにしても、美術館のスタッフはよく働く。展示作業は大変念入りで、作品のチェックは2人の担当者が3日かけてやり、照度調整でも3日かけていた。1点1点照度計を使ってくまなく測る。結局展示作業だけで10日間かけた。ヤマト運輸の梱包は丁寧だと感心してくれたのは、身内が誉められているようで嬉しかった。

滞在中、送別会と誕生会がCuratorial division(学芸課)、Registration division(作品記録関係課)であり、お昼に皆が集まりベーグルやケーキ、飲み物でミニパーティがあった。隣の課に移るだけでも送別会をして、カードをあげたり、花束や贈り物をあげたりしていて、いかにも楽しみ上手なアメリカ人だと感心した。もうひとつ大きなイベントがあった。1/26 ,Holiday Partyといって、約200人のスタッフのための冬のパーティだ。クリスマスには皆それぞれ家族と過ごすので出来ないから、毎年1月にするという。夏には広い中庭でガーデンパーティをするらしい。パーティはけっこう派手だ。バンドがあって、ダンスを踊り、仮装した人たちもいた。伴侶や恋人、友人いずれか一人は同伴してもいいというので、人数は300人以上いたという。 なにしろ大きな美術館なので、ボランティアや委員会の会合もどこかの部屋であり、常設展や企画展に来る観覧客もいていつも賑やかだ。 私にもいつもお誘いの声がかかるので、滞在中とても楽しく過ごすことが出来た。

<メンバーと呼ばれる人々>
日本の公立美術館とは違い、アメリカではメンバーと呼ばれる人たちの寄付で成り立っている。このワイエス展では、3回のレセプションがあった。1回目はこの展覧会へ特別に出資したスポンサーと呼ばれる人々36名、2回目は常に多額の寄付金を寄せてくださるファウンダーと呼ばれる人々250名、3回目はメンバーと呼ばれる人々1000人以上。美術館に集まる人たちを見ていると、自分たちの好きな場所にしようという雰囲気が感じられる。どの表情も明るく、穏やかだ。この美術館は自分たちが支えているのだという自信、何か出来ることに参加して、美術館に貢献したいという前向きな気持ちを感じる。アメリカの税制で美術館に寄付をすると税金が安くなるので、大きな企業は特に寄付をしたがるという。そして自分の名前を美術館が残してくれることにステイタスを感じるのだそうだ。

<ボランティア> 
美術館は自分たちのもので、何らかの形でかかわりをもち、自分の精神性の啓発の場として、あるいは芸術を通した社交の場として、人々が美術館をとても身近なものとしてよく訪れていることに感銘を受けた。日本の美術館は公的機関に頼りすぎて、観客は受身でいるような気がした。
毎日のように図書室や学芸員室では誰かしら調べ物や、本の修復など手伝っているボランティアたちがいる。年配の女性たちは自分の好きな絵のお手伝いをすることはとても楽しみなので、週1回〜2回通ってくるという。丸沼芸術の森ワイエス展でももっとボランティアの力を引き出して、皆さんに達成感を感じていただけるようなものにしなければならないと真剣に考えた。ワイエス展でギャラリーツアーをするボランティアはDocents と呼ばれ140人もいるという。数回勉強会を開き、その中の1回目に私は丸沼芸術の森と
須崎社長がワイエスを入手したいきさつについて話した。皆さんの最大の関心事は「一体何の目的でこれほどのまとまった作品を入手したのか」ということのようだった。

<日本人>
ここにいる間に一度も日本人に会わなかった。オハイオ川を挟んだ対岸はケンタッキーで、そこには全米でもっとも大きなトヨタ自動車工場があり日本人もたくさん住んでいるらしい。それにしてもメンバーになっているらしいのに誰も来なかったことに、ここでの日本人の存在が気になった。メンバーの中には日本びいきがたくさんいらして須崎社長はあいさつに忙しいほどだった。 地元の新聞にワイエス展が大きく取り上げられ、コレクションのオーナーは、日本の実業家で丸沼芸術の森代表の須崎勝茂氏と紹介されていたので、目にした人たちが訪れてくださることを願っている。
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第7回丸沼芸術の森アンドリュー・ワイエス水彩・素描展

  ――メインからの風――

現代のアメリカンリアリズムを代表する画家、アンドリュー・ワイエスは89歳になる現在も制作を続けています。本展ではメイン州クッシングのオルソン家を30年にわたって描いたオルソン・シリーズから、「メインの風と光が好き」というワイエスが、創作に際して最も大切にしている『エモーション』が垣間見られる素描を中心に展示します。
フォーラムの講師には、1988年以来ワイエスの絵を制作活動の原点として、折にふれワイエスの地を訪ねておられるイラストレーター・内田新哉氏、現在丸沼芸術の森での制作活動のかたわら、大学で美術の教鞭をとられている山本靖久氏、またワークショップには昨年ワイエス夫妻から作品を寄贈された愛知県美術館の高橋秀治氏も参加され、ユニークな内容を企画しております。
今回は丸沼芸術の森コレクション238点の中から水彩・素描29点を展示いたします。

●ワイエスフォーラム

4月28日(土)、29日(日)
講演 13:10~15:10 (入場12:50)
  28日 山本 靖久氏 (画家・了徳寺大学芸術学部助教授)
      演題「ワイエスと日本人の感性について」
  29日 内田 新哉氏 (イラストレーター)
      演題「ワイエスの描く世界を旅して」
ワークショップ 15:30~17:00(両日とも講演終了後)
   A 高橋秀治氏 「ワイエスなんでもQ&A」
   B 内田新哉氏 「ワイエス作品に恋をして」
   C 山本靖久氏 「自然を捉える水彩表現」実技あり(画材費無料) 
交流パーティ 29日 17:30~19:00 (無料)
     
  会  場 丸沼芸術の森展示室
  参 加 費 1日参加 2000円 両日参加 3000円
  募集人員 各回60名 (応募者多数の場合抽選)
  応募方法 往復はがきに住所・氏名・電話番号・Fax・メールアドレス
       参加希望日(28日・29日)
       ワークショップ(A・B・C)・パーティ(参加・不参加)
       を明記の上、丸沼芸術の森までお申し込みください。
  応募締切 4月 20 日(金)消印有効
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