2007年07月26日

 Gilcrease ワイエス展通信 タルサより

ギルクリーズ美術館での日々をレポートしました。
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ワイエス展〜Gilcrease Museum, オクラホマ州

去る6月1日、アメリカオクラホマ州、タルサ市にあるギルクリーズ・ミュージアムで、丸沼芸術の森ワイエスコレクションによる展覧会がスタートした。8月26日までの約3ヶ月間の開催である。私は5月14日から展示作業に立会い、オープンまでの約3週間を美術館のスタッフと共に過ごした。丸沼コレクションが大変貴重なものであることを再確認させられ、ワイエスがいかにアメリカ国民に愛されている画家であるかということをひしひしと感じた日々、現地でのレポートを紹介したい。about Gilcrease Museum.doc
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2007年05月23日

第7回アンドリュー・ワイエス展&フォーラム

 今年、第7回目となった丸沼芸術の森ワイエス展に800人近い観客が訪れてくださいました。4月29日に2週間の会期を無事に終えました。年々ボランティアが増えて、より充実したイベントになった感じがしました。毎年この時を待ち望んでいた方々が今年はどんな作品に出会えるだろうかと期待していることを思うと出品作品の選出にも気合が入ります。昨年から企画チームを募り、テーマに添った作品を選出いたしました。今年は素描が26点、水彩3点を展示いたしました。アンケートに寄せられた感想を読んでみますとワイエスの素描については、テクニックのすばらしさ、エモーションのほとばしりを逃さず描く巧みさ、描く対象への想い、写実に見えるが抽象的等‥。 「時間をかけてゆっくり丁寧に見ている人々が多かった」と受付の担当者が語っていました。
 丸沼芸術の森の外観は芸術家たちのアトリエが林立する大変シンプルで一見美術とは縁のなさそうな感じですが、竹林の名残があり、ボランティアの皆さんが作った花壇には季節の花が咲き、雑草が茂り、ワイエスの絵を見た後ではこの雰囲気がとてもしっくりなじむと言った人がいました。

 4月28,29日のフォーラムでは、学生さんたちがボランティアとして多数参加してくださり、賑やかに盛り上がりました。このイベントは、年に1回丸沼芸術の森のワイエスコレクションを見て、語って、楽しいひと時をともに過ごそうという催しです。全国から今年は87名が参加されました。1日目は丸沼芸術の森で制作活動をしている画家で大学で教鞭もとっていらっしゃる山本靖久氏による講演「ワイエスと日本人の感性について」と題して、画家の観点からワイエスの絵を分析し、日本人に好まれるその理由に迫りました。 2日目はイラストレーターの内田新哉氏による講演、「ワイエスの描く世界を旅して」が行われ、ワイエスの絵に出会って人生が変わったという内田氏が、ワイエスの作品の舞台を訪ね、その様子を画像とともに紹介しました。
 両日とも講演に続き分科会でのワークショップが行われました。A「高橋秀治氏―ワイエスなんでもQ&A」では、日本でのワイエス研究第一人者と言われている高橋氏が豊富な知識から皆さんのご質問に答えてくださいました。B「内田新哉氏―ワイエス作品に恋をして」では、内田氏が皆さんとともにスケッチをしたり、カントリーミュージックを聞きながら旅の写真を見たりしました。C「山本靖久氏―自然を捉える水彩表現(技法実技)」では、フォーラム初めての試みで、ワイエスの作品を実際に見ながら水彩の模写を実践しました。ワークショップでは参加者ご自身がワイエスの世界を経験したり、ワイエス感を語ったり出来る楽しいひと時です。

 休憩時には、オーナーの手作りアンパンを頂きながら歓談したり、ショップで図録や絵葉書、ポスターなど見ることも出来ました。グッズは主にアメリカから輸入し、日本では手に入らないような珍しいものがあります。

 今回遠くから来てくださった方の中に、「絵を描いていてどうしてもワイエスの素描を見てみたかった」と言い、7時間以上車を走らせて来られたという秋田県の方、また、やはり絵を描き始めてまだ浅いが、先生にワイエスの絵を見た方がいいと勧められ、昨年は常葉美術館へ行き、さらに思いを深めて今年丸沼まで来られた広島の方、その情熱には頭が下がりました。

 丸沼芸術の森の小さな展示室にはせいぜい30点しか展示できませんが、その中でたとえ1点でも心に響く作品に出会ってほしいと願っています。多くの資料の整理をしながら、改めてワイエス展の意義を思います。

交通事情の悪いところをはるばる来てくださった皆様、ご家族の協力のおかげで今年もボランティアに参加でき、共に活躍してくださった皆様に心から感謝申し上げます。来年また多くの感動に出会えるのを楽しみにしております。
―丸沼芸術の森スタッフ一同―
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2007年02月19日

www.cincinnatiartmuseum.org


Andrew Wyeth Watercolors and Drawings
Selections from the Marunuma Art Park, Collection, Japan
February 3 to May 6, 2007


Christina's World Study, 1948 watercolor
copyright Andrew Wyeth
See 114 watercolors and drawings by American master artist Andrew Wyeth, inspired by the world of Christina and Alvaro Olson in Cushing, Maine. This exhibition explores the artist’s ongoing fascination with the Olson’s everyday activities, domestic interiors, and utilitarian objects. Spanning three decades of his career, the works range from stand-alone watercolors to preliminary notations and detailed studies that demonstrate how the artist’s compositions evolved into finished tempera paintings. The exhibition includes ten studies for the painting Christina’s World (1948) as seen in early compositional notations, detailed figures, and arm studies and the final watercolor sketch of Christina.

Supporting Sponsors:
Mary Lynn and Thomas M. Cooney
Rhonda & Larry A. Sheakley Family Foundation
Dr. Stanley & Mickey Kaplan Foundation
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アメリカ巡回 丸沼芸術の森所蔵 アンドリュー・ワイエス展レポート

                           2 / 4 / 2007 中村
初回開催館 Cincinnati Art Museum(オハイオ州)
開催期間 2/3/2007〜5/6/2007

2007年1月21日、アメリカ、オハイオ州シンシナティ美術館でのワイエス展準備のために渡米した。成田―アトランタ―シンシナティは途中乗り継ぎ時間も含めると約18時間の旅だった。展覧会のオープニングまでの10日間を美術館で過ごす。
初めての海外展覧会でいったいどのような展開になるのか見当もつかなかったが、開催期日が迫るにつれて、シンシナティ美術館とのメールのやり取りが頻繁になり、段々現実味が増して気分的には期待が膨らんでいた。渡米前にシンシナティ美術館の修復家Cecile Mearさんが来日され、約2週間丸沼芸術の森やヤマト運輸など毎日一緒に作業をしたこと、シンシナティ美術館のBonadies副館長と学芸員のKristinさんが2003年に丸沼芸術の森を来訪されたこと、姫路市立美術館でのワイエス展へお連れしたことなどが功を奏したのか、今回美術館側の対応は予想以上にすばらしいものであった。

<オープニング>
シンシナティのワイエス展オープニングは、副館長が25年間勤めていて初めて経験した、と言われたほどの盛大なものとなった。2日間のオープニングで1300人という大勢の招待客で、本当にそのスケールの大きさには須崎社長ご夫妻も驚いて大変感激されていた。アメリカでのワイエスファンは熱狂的だと館長のAaron Betsky氏がスピーチで話しておられたがこのオープニングで実感した。初日、館長のあいさつの後、須崎社長、その後ワイエスの孫・ヴィクトリア・ワイエスがスピーチをした。社長のスピーチの内容はワイエスを入手したいきさつ―「若手芸術家支援という大きな目的のため」を主題としたものになった。皆さんが、素晴らしいコレクションのオーナー・須崎社長に一目会いたいと次々握手を求められ、ご夫妻は息つく暇もないほどだった。本当に歓迎されていることを実感されたと思う。
初日はサックス、翌日はピアノソロ、展示会場ではバイオリン演奏があり雰囲気を盛り上げていた。展示会場では初日、昼は学芸員のKristinさん、夕方はヴィクトリアがギャラリーツアー、2日目、ヴィクトリアは4回も講演をこなした。エネルギッシュで楽しいトークに聴衆は魅了されたようだ。

<美術館のスタッフたち>
開梱、展示、オープニングと多くの勉強をさせていただいた。 副館長とKristin さんの指示により、スタッフは誰もが丁寧に、どんな要求にも喜んで対応してくれたのは驚くほどであった。いつの間にかほとんどのスタッフが私の名前を覚えて、必ず挨拶に名前を呼んでくれたのは本当にうれしかった。
それにしても、美術館のスタッフはよく働く。展示作業は大変念入りで、作品のチェックは2人の担当者が3日かけてやり、照度調整でも3日かけていた。1点1点照度計を使ってくまなく測る。結局展示作業だけで10日間かけた。ヤマト運輸の梱包は丁寧だと感心してくれたのは、身内が誉められているようで嬉しかった。

滞在中、送別会と誕生会がCuratorial division(学芸課)、Registration division(作品記録関係課)であり、お昼に皆が集まりベーグルやケーキ、飲み物でミニパーティがあった。隣の課に移るだけでも送別会をして、カードをあげたり、花束や贈り物をあげたりしていて、いかにも楽しみ上手なアメリカ人だと感心した。もうひとつ大きなイベントがあった。1/26 ,Holiday Partyといって、約200人のスタッフのための冬のパーティだ。クリスマスには皆それぞれ家族と過ごすので出来ないから、毎年1月にするという。夏には広い中庭でガーデンパーティをするらしい。パーティはけっこう派手だ。バンドがあって、ダンスを踊り、仮装した人たちもいた。伴侶や恋人、友人いずれか一人は同伴してもいいというので、人数は300人以上いたという。 なにしろ大きな美術館なので、ボランティアや委員会の会合もどこかの部屋であり、常設展や企画展に来る観覧客もいていつも賑やかだ。 私にもいつもお誘いの声がかかるので、滞在中とても楽しく過ごすことが出来た。

<メンバーと呼ばれる人々>
日本の公立美術館とは違い、アメリカではメンバーと呼ばれる人たちの寄付で成り立っている。このワイエス展では、3回のレセプションがあった。1回目はこの展覧会へ特別に出資したスポンサーと呼ばれる人々36名、2回目は常に多額の寄付金を寄せてくださるファウンダーと呼ばれる人々250名、3回目はメンバーと呼ばれる人々1000人以上。美術館に集まる人たちを見ていると、自分たちの好きな場所にしようという雰囲気が感じられる。どの表情も明るく、穏やかだ。この美術館は自分たちが支えているのだという自信、何か出来ることに参加して、美術館に貢献したいという前向きな気持ちを感じる。アメリカの税制で美術館に寄付をすると税金が安くなるので、大きな企業は特に寄付をしたがるという。そして自分の名前を美術館が残してくれることにステイタスを感じるのだそうだ。

<ボランティア> 
美術館は自分たちのもので、何らかの形でかかわりをもち、自分の精神性の啓発の場として、あるいは芸術を通した社交の場として、人々が美術館をとても身近なものとしてよく訪れていることに感銘を受けた。日本の美術館は公的機関に頼りすぎて、観客は受身でいるような気がした。
毎日のように図書室や学芸員室では誰かしら調べ物や、本の修復など手伝っているボランティアたちがいる。年配の女性たちは自分の好きな絵のお手伝いをすることはとても楽しみなので、週1回〜2回通ってくるという。丸沼芸術の森ワイエス展でももっとボランティアの力を引き出して、皆さんに達成感を感じていただけるようなものにしなければならないと真剣に考えた。ワイエス展でギャラリーツアーをするボランティアはDocents と呼ばれ140人もいるという。数回勉強会を開き、その中の1回目に私は丸沼芸術の森と
須崎社長がワイエスを入手したいきさつについて話した。皆さんの最大の関心事は「一体何の目的でこれほどのまとまった作品を入手したのか」ということのようだった。

<日本人>
ここにいる間に一度も日本人に会わなかった。オハイオ川を挟んだ対岸はケンタッキーで、そこには全米でもっとも大きなトヨタ自動車工場があり日本人もたくさん住んでいるらしい。それにしてもメンバーになっているらしいのに誰も来なかったことに、ここでの日本人の存在が気になった。メンバーの中には日本びいきがたくさんいらして須崎社長はあいさつに忙しいほどだった。 地元の新聞にワイエス展が大きく取り上げられ、コレクションのオーナーは、日本の実業家で丸沼芸術の森代表の須崎勝茂氏と紹介されていたので、目にした人たちが訪れてくださることを願っている。
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第7回丸沼芸術の森アンドリュー・ワイエス水彩・素描展

  ――メインからの風――

現代のアメリカンリアリズムを代表する画家、アンドリュー・ワイエスは89歳になる現在も制作を続けています。本展ではメイン州クッシングのオルソン家を30年にわたって描いたオルソン・シリーズから、「メインの風と光が好き」というワイエスが、創作に際して最も大切にしている『エモーション』が垣間見られる素描を中心に展示します。
フォーラムの講師には、1988年以来ワイエスの絵を制作活動の原点として、折にふれワイエスの地を訪ねておられるイラストレーター・内田新哉氏、現在丸沼芸術の森での制作活動のかたわら、大学で美術の教鞭をとられている山本靖久氏、またワークショップには昨年ワイエス夫妻から作品を寄贈された愛知県美術館の高橋秀治氏も参加され、ユニークな内容を企画しております。
今回は丸沼芸術の森コレクション238点の中から水彩・素描29点を展示いたします。

●ワイエスフォーラム

4月28日(土)、29日(日)
講演 13:10~15:10 (入場12:50)
  28日 山本 靖久氏 (画家・了徳寺大学芸術学部助教授)
      演題「ワイエスと日本人の感性について」
  29日 内田 新哉氏 (イラストレーター)
      演題「ワイエスの描く世界を旅して」
ワークショップ 15:30~17:00(両日とも講演終了後)
   A 高橋秀治氏 「ワイエスなんでもQ&A」
   B 内田新哉氏 「ワイエス作品に恋をして」
   C 山本靖久氏 「自然を捉える水彩表現」実技あり(画材費無料) 
交流パーティ 29日 17:30~19:00 (無料)
     
  会  場 丸沼芸術の森展示室
  参 加 費 1日参加 2000円 両日参加 3000円
  募集人員 各回60名 (応募者多数の場合抽選)
  応募方法 往復はがきに住所・氏名・電話番号・Fax・メールアドレス
       参加希望日(28日・29日)
       ワークショップ(A・B・C)・パーティ(参加・不参加)
       を明記の上、丸沼芸術の森までお申し込みください。
  応募締切 4月 20 日(金)消印有効
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