2015年11月20日
米国、デンバー美術館 ワイエス父子展
2015/11/8〜2016/2/7 米国、コロラド州、デンバー美術館で、ワイエス父子の展覧会[Wyeth: Andrew and Jamie in the Studio]が開催され、丸沼芸術の森コレクションからは『クリスティーナの世界』習作など3点が展示され、この展覧会の主要作品となっている。会期前日に催されたオープニングイベントに出席した。これを企画担当した学芸員、Timothy Standring氏が準備に約5年間もの歳月をかけたというだけあって、これまでのどのワイエス展の展示よりも優れていると感じた。
展示室ごとに設けられたテーマは、父子で描いた同一の風景、互いを描いたポートレート、未発表作品、貴重な資料など観る者を飽きさせない工夫が随所に凝らされ、展覧会全体をさらに興味深いものとしていた。
また、息子Jamieがオープニングに来場し、講演やギャラリーツアーで終始笑顔で話し、時折ジョークで会場の笑いを誘っていたのが印象的だった。
「幼い頃から私は祖父N.Cワイエスの作品が好きだった。祖父が描いていた物語の挿絵には夢を感じた。しかし父はいつもカラスや鳥の死骸を側に置いたり、暗い作品ばかり描いていていやだった」とJamieによる話を聞き、彼の画風が祖父に似ていることが納得できた。